作業療法士の現場から、癌患者のリハビリにて
今日はご自身が、癌であることを知りながら
頑張っておいでる おばあちゃんの
お話をしましょう。
レミおばあちゃんは数年前に乳癌の手術をしました。
その後 転倒 骨折と 怪我や病気がたえません。
昨年には とうとう癌が再発 入院。
退院後は デイケアに通いながらの
定期的な治療となりました。
リハビリをしている時
おばあちゃんは 私に
とても穏やかに 自分が癌であること
それが 再発であること
ご主人も病気がちであることを お話されます。
そして 最後に「先生いつもありがとう」と
言われます。
レミおばあちゃんのこの笑顔と
ふんわりした雰囲気は 一体どこからくるのか
本当のところ 不思議でたまりませんでした。
化学療法の前日も
「先生 終わったら また リハビリしてね。」
と 必ず次回の約束をします。
私は 母を癌で亡くしたので
癌とは とても怖い病気で
悲しい病気だと思っていました。
でもレミおばあちゃんは 母よりも
はるかに 高齢で 「死」を見つめていそうな方なのに
癌に恐れる事なく 明日を見つめています。
この方の明るさと強さはどこからくるのでしょう。
「生きる」ことは明日を見据えることです。
高齢になると 明日が来ることも不安だから
「死」を見つめる方がたくさんおいでます。
でもレミおばあちゃんは
過去と現在に感謝し
明日が来ることを いつも信じ、感謝しています。
それが 生きること そして 今会えた事
今度又会えるかもしれないことへの
希望と喜びになっているのでしょう。
そんなレミおばあちゃんでも
時々 天井をみつめ 黙り込む時があります。
私が声をかけると
満面の笑みで振り向いて下さるのですが・・
本当は明日が来るか
とても不安なんだと思います。
でも 全ての不安を 今生きている事の感謝の気持ちで
包みこんで いるのでしょう。
この レミおばあちゃんの感謝のお花は
今日も風にゆれながら そっと咲いています。
私は今日もおばあちゃんのお花にお水をあげます。
明日も 明後日も できる事ならずっと・・
生きることの素晴らしさを教えてくれたおばあちゃんに
感謝の気持ちを込めて
「今日も元気で咲いて下さい」って
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